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4/10 礼拝メッセージ「剣を納めよ」

 主イエス様は、弟子たちとの最後の晩餐の後、ゲッセマネの園で、最後の祈りの時を持たれました。そこにユダに手引きされたユダヤ当局者がやってきました。彼らは手に剣や棒を持って主を捕らえに来たのでした。主イエス様を守ろうとした弟子の一人が持っていた剣を抜いて、一人の耳を切り落としました。ルカやヨハネ福音書には、切りかかった弟子がペトロであること、そして、耳を切り落とされた人がマルコスという名前であったことが記されています。しかし、その時主イエス様はペトロに「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。…しかしそれでは、必ずこうなると書かれている聖書の言葉がどうして実現されよう。」と諭され、そしてルカ福音書ではマルコスも癒されたと記されています。主はこのような状況でも、弟子たちを思いやっていましたが、弟子たちは、恐怖と混乱の中、主を置いて散り散りに逃げてしまったのです。

 

 ユダは主イエス様を裏切りました。その理由を聖書は、彼が会計係で着服しており、銀貨30枚と引き換えに主イエス様を大祭司に引き渡そうと画策していたと、ヨハネ12章や、ルカ22章に記されています。しかし裏切ったのは他の弟子たちも同じでした。一番弟子のペトロでさえ、「あなたのことを知らないなどとは決して申しません」と言っておきながら、後に3度も主を知らないと言ってしまうのです。しかし、主はそのことも全てご存知でした。それでも彼らを弟子とされ、愛されたのです。この後、主は不当な裁判を受け、十字架につけられました。

 

 今、世界は危機的な状況に置かれています。ロシアによるウクライナ侵攻によって、ウクライナという国の存亡だけでなく、世界全体が様々な不足を覚える中、理性的な判断が麻痺しつつあります。それは第3次世界大戦への道でもあります。弱きものが助けられ、主の正義がなされる事を祈りつつも、報復が報復を生まないように、今こそ主の「剣を納めよ」という言葉に私たちは真剣に向き合わなければならないのです。