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10/8 礼拝メッセージ「神に愛された人々①」

 ヘブライ人への手紙の11章は、この手紙の価値そのものだといって過言ではありません。信仰についてこの冒頭の1節ほど、単純かつ明瞭に言い表している言葉は聖書の他のどこにもありません。「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです」。「信仰とは、望んでいる事柄の実質であって、見えないものを確証するものです」という協会共同訳よりも新共同訳の方が分かりやすい訳のように思います。

 

 この11章においては21回も、「信仰によって」という言葉が出てきます。ヘブライ人の手紙の著者は、この章で信仰の先達者たちの歩みを通して、「信仰の力」、「信仰による新しい人生の幕開け」を語るのです。神に従うことによって、目の前の現象や自分が置かれた状態に右往左往することなく、その奥にある神様のみ旨を探る中で、より深い平安へと導かれるということなのです。

 

 その信仰者の姿として、ただ神様に喜ばれることを追い求めたアベル、神によって行方が分からなくなったエノク、信仰が失われた時代に神の声に従って箱舟を造ったノアが挙げられています。ヘブライ人への手紙の著者は、このように信仰に生きた人の足跡を私たちに思い起こさせ、み言葉に生きる素晴らしさを語りました。

 

 信仰とは、神によって選ばれたものに神によって与えられるのと同時に、自分にとって誰が本当に信ずべき存在なのかという私たち側の信仰の在り方でもあります。ですから、まず自分が神様を選び取るということが大切なのです。