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5/19 礼拝メッセージ「キリスト教の門出」

 弟子たちが集まっていると、激しい風が吹いてくるような音が天から聞こえ、

炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまり、外国の言葉で

神を賛美しだしました。今日の箇所は、彼らを代表したペトロの証しであり、

キリスト教会最初の説教です。その内容は、

① ヨエル書を引用して今が「終わりの時」であることを人々に告げました。

 ヨエル書にはこの終わりの時という言葉はないのですが、時が満ち、神の国が

 近づいたこと、今が終わりの時であることを人々に説いたのです。そして、ナ

 ザレの人イエスこそ、神から遣わされた方であったことを伝えたのです。

② そして彼は主イエス様が十字架の上で死んだのち復活し、天に上げられ

 たこと、その方の力によって、今、目の前で不思議な出来事が起きていること

 を語ったのでした。

 

 このペトロの説教を聞いた人々は、「大いにこころを打たれ」「私たちはどう

したらよいのですか?」と聞きました。ペトロは悔い改めて、イエス・キリス

トの名前によって洗礼を受け、「邪悪なこの時代から救われなさい」と勧めまし

た。ペトロの勧めに、洗礼を受けた人はその日だけで 3000 人以上になりました。

主イエス様を神の子と信じる人々は、ユダヤ教やローマ帝国から迫害を受け

ながらもローマ帝国内に広まり、380 年にローマ帝国の国教に、392 年にはキリ

スト教以外の宗教およびキリスト教の異端の信仰が禁止され、ローマ帝国唯一

の国教としてのキリスト教の地位が確立しました。こうして非公認の宗教とし

てローマ帝国や民衆から迫害されて来たキリスト教は、国家に保護される側に

なり、逆に異教徒を迫害する側にもなりました。

 

 わたしたちはこのような歴史を受け止めつつ、主からこの秦野に遣わされた

者として復活の主を証ししましょう。主イエス様や弟子たちのように病気をい

やす力はなくとも、異言を語れなくとも、できることはきっとあります。

私たちも、ヨエル書にあるように大いなる幻を見、夢を見ましょう。地の果て

までキリストの愛を伝える新たな旅立ちをいたしましょう。