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5/11 礼拝メッセージ「ルツに学ぶ」

 士師の時代のイスラエルに飢饉があり、エリメレクとその妻ナオミ、その息子

マフロンとキルヨンはモアブに移り住みました。しかしほどなくエリメレクは死

に、息子たちもオルパとルツという女性と結婚しましたが10年ほどして死んでし

まったのです。夫も息子も失い、失意のナオミは、イスラエルの飢饉が終わった

と聞いて、戻ることにしたのです。その途中ナオミは2人の嫁に、自分の故郷に

帰り、第二の人生を歩むように諭しました。オルパはその言葉に従い、故郷に帰

って行ったのですが、ルツは、「あなたを見捨て、あなたに背を向けて帰れなどと、

そんなひどいことを強いないでください。…あなたの民はわたしの民、あなたの

神はわたしの神。あなたの亡くなる所でわたしも死に、そこに葬られたいのです。」

(1:16)と、ナオミについていきました。そして、ルツが落ち穂拾いをして生活

していましたが、その一生懸命さは人々の評判に上るほどで、エリメレクの親戚

ボアズは、好意を示していろいろな優遇をしてくれました。この後ナオミは、ル

ツをボアズに嫁がせることを考え、ルツもナオミの言うとおり振舞い、求婚しま

した。ボアズは、彼女を妻として迎えました。そして、彼らにはオベドという子

どもが与えられ、オベドはエッサイの父となり、エッサイはイスラエル最大の英

雄であるダビデの父となります。ですから、ダビデ王は純粋なユダヤ人ではなく、

モアブ人の血をも引く人物であること、さらには、この子孫から主イエス・キリ

ストが生まれてくるということがこの物語の重要な点なのです。 

 

 ルツは一切の打算を捨てナオミについていきました。その彼女の優しさ・強さ

が、自らの人生をさらに切り拓いていくことにつながったのです。誠実に生きる

者を、主は祝福して下さるのです。また、ルツ記は私たちが陥りやすい偏狭な民

族主義を戒めます。私たちは主イエス様が教えてくださったように、「友となり」

「互いに愛し合う」事によって、新しい関係を築くことができるのです。