ナオミは異国の地で、夫と二人の息子に先立たれ、悲しみの中で飢饉が去っ
た故郷に帰ろうと、残された異邦人の嫁二人と旅立ちますが、「死んだ息子にも
私にもよく尽くしてくれた」彼女たちへの気遣いから、「自分の里に帰りなさい」
と離縁を切り出したのです。二人の嫁も別れを惜しみましたが、嫁の一人オル
パは彼女のもとを去り、ルツはとどまりました。ルツにとってナオミは故郷以
上のかけがえのない存在になっていたのです。
故郷のベツレヘムに着いたナオミたちには何の希望もありませんでしたが、
主なる神様は一つの出会いを用意していてくださいました。それが夫の親戚ボ
アズとの出会いでした。落穂拾いをしていたルツからボアズの話を聞いたナオ
ミは、相続に関するユダヤの律法を思い出し、ナオミはルツをボアズに嫁がせ
ることを考え、ルツもナオミの言うとおり振舞い、求婚しました。彼は、すぐ
にエリメレクの財産を相続し、結婚するのに必要な手続きをし、彼女を妻とし
て迎えたのです。そして彼らの間にオベドが生まれ、エッサイと続きダビデ王、
さらにイエス・キリストと繋がったのです。ナオミの苦しみもこうして報われ
たのでした。
私たちは地獄のような状況に置かれても、このナオミとルツが示したような
愛があれば乗り越えられることを、この物語から学びたいのです。ナオミは苦
しみの中で「主がわたしを見捨てた」と感じていました。しかし、実は神様は
ルツという人物を通して彼女を支え続けていたのです。
ナオミの人生が示すように信仰者も苦難から免れるわけではありません。し
かし私たちは、ナオミの苦しみの中に神様の慈しみと導きを見ました。私たち
にも神様の大いなるご計画が必ずあります。私たちも、たとえ今が暗く見えて
も、神が備えてくださる光を信じて歩んでいきましょう。「神を愛する者たち、
つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働く
ということを、わたしたちは知っています。」ローマ8:28。