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6/1 礼拝メッセージ「主の昇天」

 復活された主イエス様は40日の間、時々弟子たちの前に姿を現され、神の

国についてなお弟子たちに教えたのです。しかし弟子たちは、「主よ、イスラエ

ルのために国を立て直して下さるのは、この時ですか?」と、なお神の国につ

いて誤解していました。現実のイスラエルの国の再興を願っているのです。弟

子たちは復活された主イエス様を見て、神の国は、すぐにやってくると思った

に違いありません。これは、後に異邦人の使徒と呼ばれるパウロも、「主が来ら

れる日まで生き残る私たちが」とテサロニケの手紙の中で書いていますから、

弟子たち皆がそのような思いであったのです。 

 

 しかし、主イエス様の答えは、彼らが期待していたものとはまるで違ってい

ました。「父がご自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなた方の知

るところではない…また地の果てに至るまで、私の証人となる」と。弟子たち

が、イエス様の話をどこまで理解できたのかわかりません。イエス様は話し終

わると、天に昇られ、ついには見えなくなったのです。「イエスが離れ去って行

かれるとき、彼らは天を見つめていた」とありますが、彼らの心細さ、そして

悲しみが伝わってきます。しかし、彼らは二人の天使に「又おいでになる」と

言われて、安心したことでしょう。この後の14節には「心を合わせて、彼ら

は熱心に祈っていた」とあります。彼らの心は、約束された聖霊を受ける準備

が始まったのです。 

 

 私たちも弟子たちのように、この世界の現状を見て「主よ、この国をこの世

界を建て直して下さるのはいつですか?」と問いたくなるのです。ロシアとウ

クライナ、イスラエルとパレスチナなど世界各地で続く戦争や紛争、経済的な

緊張など不安の中におかれています。しかし、私たちにはすでに慰め手であり、

助け主なる聖霊が与えられています。そして、私たちは聖書を通して主と交わ

ることができます。私たちは聖書の中で、祈りの中で、主と出会い慰めを得て

いるのです。ですから、私たちは何も寂しがることなく、主と再び会うその日

を待つことができるのです。