ヨハネによる福音書は、他の福音書とは少し違う仕方で、クリスマスを語り
始めます。「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」
ここには、馬小屋も、羊飼いも、星も出てきません。代わりに出てくるのは、
「言(ことば)」です。この「言」とはイエス様のことであり、ヨハネは、イエ
ス様が突然現れた存在ではなく、世界の初めから神様と共におられた方である
と示します。ここから分かるのは、神様の救いが思いつきではなく、最初から
計画され、約束されていたということです。私たちは祈りが聞かれないと感じ
る時や、状況が変わらない時に不安を覚えますが、ヨハネは神様の約束が揺ら
ぐことはないと語ります。さらに「言は肉となって、わたしたちの間に宿られ
た」と語りました。アウグスティヌスという古代の神学者は「あなたのみこと
ばが肉とならなかったなら、そして、私たちの間に住まわれなかったなら、私
たちは信じなければならなかったであろう。神と人間との間にはなんのかかわ
りもないのだ、と。そして、私たちは絶望しなければならなかったに違いない」
と述べています。神は私たちを愛して、ご自身の元に招くために、御子をお遣
わしになりました。それは、暗闇のなかに灯されたマッチのように小さなもの
でしたが、この火に触れた人々の心には赤々と正しく生きる力が与えられたの
です。
さらにヨハネは、「光は暗闇の中で輝いている」と述べます。この闇とは、不
安や孤独、悲しみ、罪や死といった、私たちの人生に入り込む現実です。クリ
スマスの時期であっても、喜びより寂しさを覚える人は少なくありません。そ
の闇の中に、神様は静かで消されることのない光を灯されました。闇が光を理
解しなかったとしても、深い闇の中にこそ光は必要なのです。
神様は人となり、私たちの弱さや苦しみを共に担われました。これは、「あな
たを一人にはしない」という神様の約束です。恵みは条件付きではなく、先に
与えられるものとして示されました。クリスマスは、神様の救いの約束が今も
生きていることを告げる出来事なのです。
